赤ちゃん成長ガイド

「胆道閉鎖症」
早期発見のための
便色カード

「胆道閉鎖症」早期発見のための便色カード

胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)とは

 胆道閉鎖症の「胆道(胆管)」とは、肝臓と十二指腸を結ぶ管のことで、肝臓で作られた胆汁は、胆道(胆管)を通って十二指腸に流れます。
 胆道閉鎖症とは、生まれつきまたは生後間もなく、胆汁の通り道である胆管の一部または全部がつまってしまい、胆汁が腸管へ流れなくなる病気です。胆汁は、腸管内では食物中の脂肪吸収を助ける働きをしますが、肝臓内に溜まると黄疸を引き起こし、さらに肝臓の組織を破壊してしまいます。 このまま組織の破壊が進むと、肝臓は線維化して硬くなる「胆汁性肝硬変症」という状態になってしまい、治ることはありません。
 胆道閉鎖症は出生の直前あるいは直後に発症すると考えられていますが、その正確な原因は不明の病気です。赤ちゃん1万出生に1人の頻度で発生するといわれており、毎年約100人の胆道閉鎖症の赤ちゃんが生まれています。また、女の子の方が男の子より2倍くらい多く発症するといわれています。
 胆道閉鎖症の赤ちゃんが手術を受けないまま時間が経過すると、肝硬変という病気が進行して肝不全になり、2、3歳までしか生きられない場合が多いという難病です。大切な赤ちゃんの生命を守るためにも、1日も早い病気の発見・治療が必要です。以下に記載している【胆道閉鎖症の3大症状】が1つでも見られたら、早期発見・早期治療のためにも、早急に医療機関(小児外科医、小児科医)を受診しましょう。

「胆道閉鎖症」早期発見のための便色カード

 胆道閉鎖症の1つの特徴として、便(うんち)の色が白っぽくなります。便の色をきっかけとして病気が発見されることも多くありますので、生後4ヶ月くらいまでは、赤ちゃんの便の色に注意しましょう。
 平成24年4月1日以降交付の母子健康手帳には便色カードが掲載されていますので、便色カード(うんちの色見本)を使って、赤ちゃんの便色を確認しましょう。

【使用方法】

 日中の明るい部屋の中で、おむつの横において便の色と見比べて判定してください。

便色カード
便色カード活用マニュアル

↑ 画像をクリックすると拡大します ↑

※ 注意
  • 便色見本の色調は繊細です。パソコンやプリンタの設定などにより、実物と色が異なる場合があります。
  • 便色カードの1~3番に近い色(白っぽい色)である場合は、早急に医療機関(小児科医、小児外科医)を受診しましょう。

【胆道閉鎖症の3大症状】

 これらの症状は、3つすべてが見られない場合があります。どれか1つでも見られたら、早急に医療機関(小児外科医、小児科医)を受診しましょう。

  • 黄疸が徐々に強くなり、白目も黄色く
     「生理的黄疸(新生児黄疸)」は新生児特有の症状で、生後2~3日に皮膚が黄色に見えるようになり、生後4~5日がピーク、生後7~10日で自然に消えていきます。ただし母乳を飲んでいる赤ちゃんは、もっと長い期間(時には1ヶ月以上)続くこともあります(母乳性黄疸)。
     一方、胆道閉鎖症にかかっている赤ちゃんは、胆汁が腸管へ流れず体内に溜まることから、黄疸がじわじわと日増しに強くなり、白目も黄色くなってきます。この黄疸は「生理的黄疸(新生児黄疸)」とは異なり、皮膚がくすんだ黄色(黒っぽく感じる)になるのが特徴です。

    ※ 黄疸とは、胆汁の成分であるビリルビン(赤血球が古くなって壊れたときに生じるヘモグロビンから造られる黄色い色素)が血液中に増加し、皮膚や粘膜に沈着するため、黄色に見える状態をいいます。


  • 尿の色が濃くなる(濃褐色・紅茶色・麦茶色・ウーロン茶色)
     うんちに排出されなくなったビリルビンが尿に過剰に排出されるため、尿の色が濃くなります(濃褐色・紅茶色・麦茶色・ウーロン茶色)。これを「ビリルビン尿」といいます。
     健康な赤ちゃんの尿は色が薄く、無色透明にちかい色かとても淡い黄色で、おむつにはほとんど色がつきませんが、胆道閉鎖症の赤ちゃんは、おむつにはっきりと色がつくようになります。ビリルビン尿は、布おむつや赤ちゃんの衣服につくと、洗濯してもなかなかきれいになりません。

  • うんちが白っぽくなる(灰色がかった白色、クリーム色、レモン色、メロンパン色、薄い緑色)
     健康な赤ちゃんのうんちは、ビリルビンによって黄色味がかっています(黄色・緑色・茶色)。しかし、胆道閉鎖症の赤ちゃんのうんちは色が薄くなります。これはうんちの色のもとになる胆汁が、胆道の閉鎖によって腸管に流れ出ることができないためです。そのため病気が進むにつれて、うんちの色が黄色味を帯びず白っぽくなってきます。

→ Googleで「胆道閉鎖症 便」の検索画像を見る

赤ちゃんが泣きやまない 泣きへの理解と対処のために 厚生労働省
離乳食の進め方 厚生労働省
子ども医療電話相談事業(♯8000)について 厚生労働省
遅らせないで!予防接種と乳幼児健診 厚生労働省
赤ちゃんと一緒に行く家族旅行
楽天ママ割
赤ちゃんに安心。殺虫剤不使用ダニシート
おしゃれで可愛い授乳服・マタニティ服の専門店
生協の宅配パルシステム
おすすめ絵本
パパ、ママ、ありがとう